
<執筆担当>
~不動産の得する売り方を教える専門家~
株式会社ディア・エージェンシー
代表取締役 山川渡
適正価格を見極め、価値を最大化する戦略
不動産の売却を検討される際、まず誰もが気になるのが「いったい自分の家はいくらで売れるのか」という点ではないでしょうか。
不動産の価格は、単に広さや築年数、駅からの距離といった数値情報だけで決まるものではありません。むしろ、その裏側に潜む様々な要因や、売却戦略そのものが、最終的な売却価格を大きく左右します。
本コラムでは、不動産査定の複雑さと、真に価値を最大化するための私どもの考え方をお伝えします。
査定の基本:机上査定と訪問査定の使い分け
不動産の査定には、大きく分けて二つの方法があります。一つは「机上査定」です。これは、お客様から提供された物件情報と、過去の類似物件の成約事例を基に、おおよその売却価格を算出する方法です。
手軽に概算を知りたい場合に有用ですが、あくまで表面的な情報に基づくため、その精度には限界があります。
もう一つは「訪問査定」です。これは、実際に現地に足を運び、物件の内部まで詳しく調査することで、より正確な価格を導き出す方法です。
建物の状態、リフォームの必要性、使用可能な部分の確認など、現地でしか得られない詳細な情報を綿密に確認します。
不動産の売却時の価格の種類には、「希望価格」「売出価格」「成約価格」の3つがあります。
これらの価格について、しばしば混同されている一般の方をお見受けしますが、「希望価格」は売主の売りたいと思う希望価格、「売出価格」は成約事例に基づき、市場に売りに出されている同じエリアのライバル物件を参考にしながら値付けした売出時点の価格、「成約価格」は実際に物件が売れた価格となります。
この3つの価格で最も大事なのが「成約価格」で、この価格を正確に把握して値付けをしないといつまで経っても売れない塩漬け物件になったり、はたまた相場より安く売却して損をしてしまう原因にもなります。
訪問査定は、成約価格を基準にしながら細かい物件状況の把握をすることで、予想成約価格を算出して、売主と相談しながら売出価格を決定するためにも極めて重要なものになります。
数値情報だけでは測れない不動産の価値
不動産の価値を決定する上で、数値情報以外にも非常に重要な要素が数多く存在します。特に以下の点には注意が必要です。
心理的瑕疵
過去に物件内で何らかの事故や事件があった物件は、買主の心理に影響を与え、価格が下がる要因となります。
土壌汚染
以前に有害物質を使用する工場等の跡地では、土壌汚染のリスクが潜んでいる可能性があります。汚染された土地では、必要に応じて土壌改良などの費用負担も発生することもあり、事前の調査が極めて重要です。
隣地との境界
特に都心部では、隣地との境界を巡るトラブルを抱えている物件も散見されます。購入後に境界問題が顕在化すると、建築計画に支障をきたす可能性もあるため、注意が必要です。
また、昨今の大雨洪水や土砂災害などで一般の方にも認知度が増している「ハザードマップ」についても、その重要性と限界を理解しておく必要があります。
ハザードマップは、大雨や洪水、土砂災害などの災害リスクを事前に把握するために役立ちますが、マップが示す情報だけが全てではありません。
予測を超える豪雨などによっては、マップ上での被害想定がされていないエリアでも災害の被害が発生する可能性がありますので、あくまでも参考にして頂くという程度の認識が大事かと思われます。
「簡易査定」の落とし穴と「正確な査定」のプロセス
インターネット上の一括査定サービスなど、「簡易査定」が増えていますが、これだけで適正価格を見極めることは非常に困難です。
簡易査定は、建物内部の使用状況、公法上の制限や私法上の権利関係の調査といった詳細な情報が反映されにくく、たとえ同じ「坪単価100万円のエリア」とされていても、物件固有の条件によっては大きく価値が異なるため、あくまで「参考の一つ」と捉えるべきです。
正確な査定を行うには、綿密な物件調査が必要不可欠です。
具体的には、以下のようなやり方で物件調査を実施します。
法務局での調査
土地や建物の登記簿謄本、公図、地積測量図、建物図面、閉鎖登記簿など、物件の権利関係や現況について詳細に確認します。
現在では、法務局に行かなくてもインターネット上の登記情報サービスで事足りることも多いですが、場合によっては法務局に直接行くこともあります。
役所での調査
都市計画課や建築課などで、都市計画の内容および規制、その他の建築についての規制、道路の種別などを確認します。どんな建物が建てられるか?どのような制限はあるのか?については、役所で必ず確認すべき重要なポイントです。
これらの調査の他、上下水道やガス管などのライフラインの確認を行い、物件にどのような特徴や制約があるかを正確に把握したうえで、初めて適正な価格を提示することができます。
「高く売りたい」と「適正価格」のギャップを埋める
売却する人は「できるだけ高く売りたい」と希望されますが、市場の「適正価格」との間にギャップが生じることは少なくありません。
このギャップを埋め、売却価格の最大化を試みるには、「売却をお願いするところ」×「売却戦略」×「ターゲット」×「値付け戦略」×「税金特例の適用の可否」という5つを組み合わせた不動産の売り方メソッドを活用することをおすすめします。
この不動産の売り方メソッドの活用によって、最大1000万円以上の差が生まれることも充分にあり得ます。
例えば、売却先となるターゲットをどこにするか?という視点で考えてみると、都心にある20坪程度の整形地であればエンドユーザー向けに販売するやり方が最も高く売れる可能性が高いですが、逆に200坪もの広大な土地であれば、エンドユーザーには活用しきれないため、戸建分譲業者やマンションデベロッパーを売却先のターゲットとして売却する方がより高値がつきやすくなります。
それでは、エンドユーザー向けの物件をさらに高く売るための具体的な方法としては、以下のような対策が有効です。
確定測量の実施
隣地との境界が確定していることは、買主の安心感につながり、トラブルを未然に防ぐだけでなく、価格交渉における値引き要因を減らすことにも繋がります。測量費用はかかりますが、これを投資と捉えることで、より円滑で高値での売却が期待できます。
残置物の撤去
建物内に荷物が残されたままでは、買主がリフォームや解体を行う際に撤去費用が発生します。この費用が売却価格からの値引き交渉材料となるため、事前に内部を空にしておくことで、売却価格の低下を防ぐことができます。
建物の解体
古い建物が残っているまま(古屋付土地)で販売活動を行う場合には、買主側から建物解体費用分について、売買価格から減額するよう要求される可能性があるので、資金的な余裕がある場合には、更地にして売却するほうが見栄えが良く、高い価格で売却出来るケースがあります。
また、売却戦略の選択次第では、最終的な売却価格に大きな差が生まれることがあり、場合によっては、1000万円以上の差が生じることもあり得ます。
そしてもうひとつ知って頂きたい売却のポイントですが、「いつまでに売りたい」という期間の制約と「できるだけ高く売りたい」という価格の希望は、しばしば相反することがあります。
売主としては、「より高く」「より早く」「より安全に」売却したいというお気持ちが当然かと思いますが、例えば、相続税の支払い期限までに納税資金を捻出するために不動産を売却する場合などでは、売却期限までに確実に換金しておく必要があるために、不動産業者への売却が最適解の場合があります。
また、換金性の低い不動産(底地、再建築不可、既存不適格物件など)についても、売主の状況次第では業者への売却が現実的な選択肢となることもあります。
一方で、売主の物件がエンドユーザー向けに売却したほうがいい物件であり、売主自身にも資金的な余裕があって、売却を急ぐ必要がなく、1円でも高く売りたいとお考えのケースでは、レインズ登録はもちろんですが、スーモやアットホームなどの広告媒体を活用して、時間をかけて高値で購入を検討してくれるエンドユーザーを探す戦略が最も正しい売却戦略となります。
お客様一人ひとりの状況やご希望に合わせて、最適な売却方法を組み立てる「オーダーメイドの提案」が出来る専門家に任せることが大切です。
空き家と再建築不可物件の売却戦略
近年社会問題にもなっている「空き家」は、適切に管理・活用しない限り、所有するだけで「損失」を生み出す存在となります。
誰も住まず、誰にも貸さない状態の家は、空気の入れ替えがなく埃がたまり、カビや雑菌が繁殖して、害虫の温床となります。
また、突風などで建物の屋根や窓ガラスが破損した場合には、破損箇所から雨水が入ってきて壁や床部分が腐食したり、ネズミやハクビシンなどの害獣が侵入してくるリスクもあります。
最悪の場合、複数の要因が重なった結果、火災につながる危険性すら否定できません。
金銭的な負担も大きく、放置している間も固定資産税は発生し続け、草の手入れなどの管理費用もかかります。
愛着がある、あるいは物置代わりにしているといった理由で空き家をそのままにされているケースも多いですが、誰かが住む、あるいは誰かに貸す予定がなく、結果的に10年後に売却する可能性が高いようでしたら、早めに売却を検討されることをおすすめします。
またここでは、売却が難しいとされている再建築不可物件の売却戦略についてもポイントをお伝えいたします。
再建築不可物件とは、現在建てられている建物が消失すると、その土地の上に新しく建物を建てることが出来ない物件を指します。
再建築不可物件は、建て替えが出来る物件と比較すると評価が低いために売却が難しいこともあって空き家としてそのまま放置されているケースも少なくありません。
しかしながら、戦略次第では売却も充分可能です。
以下、再建築不可物件の売却において有効な3つのパターンをご紹介いたします。
エンドユーザー向けに販売
立地が良く、リフォームすれば十分に居住可能な物件であれば、建て替えはできなくとも、リフォームして住みたいと考える一般の買主が現れる可能性があります。
投資家向け販売
建物内部を最低限リフォームし、賃借人を見つけて収益物件化し、投資家に売却する戦略です。例えば、都心の一軒家は、再建築不可であっても、戸建ては賃貸需要が高いので、家賃設定次第では充分に賃借人を見つけて収益不動産化することが可能です。
不動産業者に売却
建物が老朽化して劣化が激しいケースでリフォームするには負担が大きすぎる場合や、なるべく早めに確実に現金化する必要がある場合には、再建築不可物件を専門に扱う不動産業者会社に売却出来ますが価格は安くなることがほとんどです。
不動産コンサルティングの哲学:多角的な視点と無限の可能性
私どもが不動産の売却に関わる上で最も大切にしている考え方は、「杓子定規な判断に縛られず、どうすれば高く売れるのか?物件の有効活用はできないか?多角的な視点から様々な物件の可能性を追求する」ということです。
再建築不可だからといって、簡単に売却を諦める必要はありません。
隣地から土地の一部を買い取ることで建築基準法上の接道要件を満たし、建て替え可能な土地に生まれ変わらせたケース や、隣地と一体で売却することで、単体では低評価だった物件が、より大きな価値を持つ土地として売却したケースも私どもの事例の中には多数あります。
単純に物件の現況だけを見て判断してしまうのではなくて、隣地や物件を取り巻く環境全てを深く洞察して、誰が買主候補になるのか?について何度もシミュレーションを繰り返し、売却戦略をデザインしていくことが、大きなポイントになります。
一見すると売却が難しいと思われる物件にも、様々な角度から考察することによって、当初の想定を大きく上回る価値を引き出すことができる可能性があります。
お客様の不動産が持つ無限の可能性を信じ、ともに最適な売却戦略を考えていくことこそが、私どもの使命であると考えています。
執筆担当

株式会社 ディア・エージェンシー
代表取締役
山川 渡
所属団体:全国宅地建物取引業保証協会、東京都宅地建物取引業協会
資格等:宅地建物取引士、行政書士
~初めてのお客様にも、
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弊社は業務を遂行するうえで「不動産業」とは「サービス業」であり「お客様のために」を根底においた「ホスピタリティの精神」を常に心がけています。ご提案させていただくコンサルティング内容の充実はもちろん「おもてなしの心」を持ってお客様お一人お一人に誠心誠意ご対応させていただきます。
「ディアに任せてよかった」と、一人でも多くのお客様に言っていただけることを目標に日々の業務に取り組んでまいります。
会社HP:https://www.dear-a.co.jp/
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