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空き家問題・リスクについて

空き家の定義

空き家とは国土交通省によると「1年以上誰も住んでいない状態」「1年以上何も使われていない状態」の住宅のことをいいます。つまり外見上は綺麗な住宅でも、1年以上誰も住んでいなければ空き家です。反対に外見上は人が住んでいないような痛んだ家でも、誰かが物置として定期的に使用している場合などは空き家には該当しません。また、住んでいなかったとしても賃貸用の住宅のように、誰かに貸すために空室にしている場合も空き家ではありません。
法律面では空き家は「空き家等対策の推進に関する特別措置法」の2条1項により「建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む)」と定義されています。
さらに、空き家の中でも「倒壊などの著しく保安上危険となる恐れがある状態」「著しく衛生上有害となる恐れがある状態」「著しく景観を損なっている状態」「放置することが不適切である状態」の4つに該当する場合は「特定空き家」に認定されます。
特定空き家と判断された場合は、空き家対策の推進に関する特別措置法による行政執行が定められており、神奈川県横須賀市や大分県別府市では、実際に解体や撤去が行われます。
しかし、定義だけでは実際にある住宅が空き家かどうかを判断するのは困難です。
そこで、住宅が空き家かどうかの判断については、国土交通省が具体的な判断材料6つを設けています。

①住宅の用途

1つ目は住宅の用途の有無です。住宅の用途は、別荘や倉庫、賃貸用など、どのようなものでも問題なく、何かしらの用途があれば空き家とは判断されません。特に用途がない場合は、住宅を管理する人がいないため、空き家と判断される可能性が高くなっています。

②人の出入り

2つ目は人の出入りの有無です。➀の住宅の用途があれば、頻度は低いにしても、人の出入りは必ずあります。人の出入りがまったくない場合は、空き家と判断されやすくなっています。

③ライフラインの使用状況

3つ目は電気・ガス・水道などのライフラインの使用状況です。人の出入りと合わせてライフラインの使用があれば、すなわち住宅も利用されているということになります。逆に、ライフラインの使用がなければ、放棄された空き家と判断される可能性があります。

④住宅の登記記録や住民票

4つ目は住宅の登記記録や住民票のチェックです。住宅の登記記録、いわゆる不動産登記は、住宅の所有権を管理するために、重要なものです。住宅の所有者が変更された場合などは、不動産登記も変更する必要があります。また、合わせて住民票の変更もしなければなりません。不動産登記と住民票に不備があると、空き家と判断される原因となります。

⑤管理状況

5つ目は住宅やその土地の管理状況です。安全面や衛生面に問題がある場合は、適切な管理がされていないということになります。また、管理状況が悪い住宅については「特定空き家」に認定される可能性が高く、地方自治体が住宅の所有者に対して聞き取りを行ったり、立ち入り調査を行ったりします。

⑥所有者の主張

6つ目は所有者の主張です。住宅の用途や使用状況などを説明することで、住宅を利用していることを証明できます。ただし、主張があったとしても立ち入り調査が行われることもあり、虚偽の報告は問題になりかねません。所有者の主張がなかったり、主張があったとしても信憑性がなかったりする場合は、空き家と判断されます。

空き家問題について

少子高齢化や人口減少により、日本国内の空き家は増加しています。空き家というのはただ単に「人が住んでいない家」というだけではなく、近隣住民や周辺を訪れる人にとっては大きな問題になる存在で、その様子はニュースや新聞などで特集されることもあります。それでは、空き家問題とは具体的にどのようなものが挙げられるのでしょうか。
空き家問題の代表例は、景観の悪化・環境汚染・自然災害による倒壊・治安の悪化の4点です。以下で一つずつ詳しく見ていきましょう。

①景観の悪化

1つ目は景観の悪化です。空き家は家屋の老朽化したり、庭の草木が荒れ放題になったりと、適切な管理されていません。管理が行き届いていない空き家は、人が立ち入りをためらうような、汚いイメージを抱かれる状態となり、景観を悪化させます。また、景観が悪化することにより、不動産価格にも悪影響を及ぼします。景観の悪い住宅や土地を購入したい人はほとんどいないため、価格が低下してしまうのです。さらに、景観を悪化させる空き家の近隣地域も、同じように不動産価格が低下してしまうこともあります。

②環境汚染

2つ目は環境汚染です。空き家は害獣や害虫などによって環境汚染が進む恐れがあります。特に蚊・マイマイガ・アメリカシロヒトリなどの害虫は大量発生する可能性が高く、空き家だけでなく近隣地域の環境汚染に繋がりかねません。また、大量のゴミなどが放棄されている場合は、➀の景観の悪化に加えて悪臭の原因にもなります。

③自然災害による倒壊

3つ目は自然災害による倒壊です。老朽化が進んだ空き家は、大雨や台風など、普通の住宅であれば耐えられるような自然災害であっても倒壊する危険性が高くなっています。また、特に大きな自然災害がない場合でも、定期的な換気を行わないことで、湿気によって屋内の基礎部分が弱り、倒壊に至ることもあります。さらに空き家が倒壊した場合は、周辺道路を通る人々も、倒壊の巻き添えになる危険性があります。

④治安の悪化

4つ目は治安の悪化です。空き家が増えることで犯罪リスクが高まる点が懸念されています。初期段階としては空き家への落書き、破壊行為、不審者が住み着くなどが挙げられ、それらがエスカレートすることで放火や大麻の栽培などの重大事件に発展することも珍しくありません。近隣住民や空き家周辺を訪れた人が、犯罪の被害に遭うこともあります。特に放火については、庭の雑草や散乱しているゴミに火を点けやすく、放火魔に狙われる危険性が高くなっています。また、空き家が火事になれば近所の住宅に燃え移り、大規模火災に陥ることもあるでしょう。

空家対策特別措置法とは

日本国内では空き家の増加が社会問題となっています。放置された空き家は、景観や治安を悪化させるなど、近隣地域へ悪影響を及ぼすこともあり、適切な措置を取らなければなりません。そのために定められたのが「空家等対策の推進に関する特別措置法」(通称:空家対策特別措置法)です。平成26年11月に成立しました。
空家対策特別措置法では主に以下の内容が定められています。
・空き家の実態調査について
・空き家の所有者に対して適切な管理指導
・空き家の跡地の再利用を促進について
・適切に管理されていない空き家を「特定空き家」に指定する
・特定空家に対して助言・指導・勧告・命令ができる
・特定空家に対して罰金や行政代執行を行う
空家対策特別措置法が成立したことで、空き家とその所有者に対して市区町村が直接的な指導を行うことが可能になりました。空き家の適切な管理義務のある所有者は、老朽化で倒壊の恐れがある場合や、害獣・害虫が発生している場合などは改善する必要があります。
特定空き家については、市町村が所有者に対して助言・指導・勧告の順で行政指導を行い、改善が見られない場合はさらに命令を下します。

①助言

助言とは「庭の雑草が道路まで伸びているので、除草してください」というような、適正管理を促す行為です。このような助言は、近隣住民から寄せられた苦情に基づいたものと考えられます。ただし、助言自体に法的効力はなく、対応するかどうかの判断は所有者に委ねなければなりません。

②指導

指導とは、助言に従わない場合や、安全性などの観点から直ちに改善が必要な場合に行われます。近隣住民からの苦情が複数寄せられた可能性が高く、助言よりも適正管理を強く促すものです。早急な対応が必要となるため、改善方法については市町村に相談することが推奨されます。

③勧告

勧告とは、指導された後に改善が見られない場合に、所有者に対してさらに早急な対応を求める行為です。指導と異なるのは、特定空き家に認定された後に勧告されてしまうと、固定資産税の優遇措置が適用されません。つまり、従来の土地の6倍の税金を払うことになってしまいます。

④命令

命令とは、勧告された後に所有者が対応せず改善が見られない場合に行われるものです。助言・指示・勧告が「行政指導」に分類されるのに対して、命令は「行政処分」といわれ、従わなかった場合は50万円以下の罰金が科されます。
①~②が行われてもなお、改善が見られない場合の対処が「行政代執行」です。建物の解体や樹木の伐採などが行われ、行政代執行にかかった費用は、特定空き家の所有者に請求します。